芯のある木は強い?
私が、就職したころ先輩社員から「芯のある木は強い」と教わりました。
その頃は、数値化されたものもなく経験にもとづく知恵だったのでしょう。
さて、芯のある木、芯の無い木どちらが強いのでしょう?
木の強さは、1硬さ(剛性) 2強さ(強度) 3ねばり強さ 4耐久性
の以上4つに分けられます。
今回は、4の耐久性は、別として考えます。
曲げ強度について考えます。
芯持ち材(芯がついている材料)
芯去り材(芯の無い材料)
加重して曲げ強度を測定してみました。
森林研究所にて桧の角材を横向きにしてプレスで折れるまで加重をしました。
芯去り材ですと節が長くなるので節から裂けてしまいます。
ただし、4つの材面、ぐるりと節の無い材料なら
かなり強度はあるでしょうが、
高額のためもったいなくて試験はしませんでした。
芯去り材をつくるためには、
芯持ち材をつくる2.5倍以上の径級の原木太さが必要ですので価格も上がってしまいます。
芯持ち材ですと、節が丸く、材面に対して節の面積が少ないため
曲り強度試験で裂けることなくかなりの加重に耐えられます。
節のある物について、曲げ強度だけを考えると、
芯持ち材のほうが曲げには強い数字が出ます。
以上のことから、横からの加重については、
芯が有るか無いかより、
材面の巾に対してどれだけ節の面積があるかで決まるようです。